ハローワーク障害者就職面接会に付き添ってみて実際に感じたこと

就職活動

 

広汎性発達障害(自閉症スペクトラム)と軽度知的障害の娘が、ハローワークの主催する障害者就職説明会に参加しました。

大きな会場にたくさんの会社が参加していて、一度に複数の会社の面接を受けることができました。

しかし、参加してみて思わぬ問題が発生したので、今後の就職活動についての課題が出てきました。

 

スポンサーリンク

ハローワークより就職面接会に参加することを勧められる

 

先日娘は、限定アニメグッズを買うために一人旅に行きましたが、その時にパソコンを使ってホテルや高速バスのWEB申込みをしたり、宿泊するホテル周辺のリサーチをしたりしました。

その経験からパソコンを使うことに興味が出てきて、パソコン教室に行きたいと言い始めました。

そんな時に以前に通っていた就労移行支援事業所と相談支援専門員さんと、チャレンジ雇用の期限が切れる4月以降はどうするか?ということの話し合いをする機会がありました。

その時に、障害者を対象にした短期の職業訓練が行われることを知って「ぜひ行ってみたい」ということになり4月以降はパソコンの勉強をすることになりました。

 

そのために、ハローワークから就職面接会に参加するように勧められていていたのですが、今回の就職面接会はどういった会社がどういった人材を求めいているのか知るためだったり、今後のための面接の練習ということになりました。

 

開催する地域のハローワークによって内容が異なるとは思うのですが、私たちの住んでいる地域では41社の会社が参加して、54個の求人票が出ていました。

その中で、医療法人の求人に「事務部門における総務補助業務全般」というのがあって、仕事の内容は

 

  • 郵便物の仕分け、配布
  • パソコン入力(文字、数字入力程度)
  • 資料作成
  • 備品の在庫管理
  • シール作成、貼り付け

 

となっていて、以前に経験した市役所での実習やチャレンジ雇用で経験した仕事を生かせる内容ですし、軽度知的障害でもできるのでは?という感じです。

なによりも簡単ではあるけど、パソコン入力作業があります。

「ぜひぜひ、この仕事の詳しい話を聞きたい」

と言うことで、面接の申し込みをすることにしました。

たくさんの会社が参加するのでせっかくだから1社だけ面接を受けるのではなく、今後の参考のために他にも興味のある仕事があったら面接を受けるようにアドバイスされていたので、全部で3社に面接の申し込みをしました。

 

知的障害者ができそうな仕事を紹介している会社は正直言って少ないです。

この会社の仕事は知的障害者を求めているのか、軽作業がしたい精神障害者を求めているのかが見極められない微妙なニュアンスで仕事を紹介している会社も多いです。

実際にどういった障害のある人が仕事に就いているのかわからないケースが多くて、果たしてこの求人に応募していいのか判断に苦しみます。

そんな中で「ここなら働けるかもしれない」と考えて他にも2社に応募しました。

大手の焼肉チェーン店の厨房の軽作業の仕事の募集と、パチンコ店を複数持っている会社のPOPを作る軽作業の仕事の募集に面接を申し込むことにしました。

 

スポンサーリンク

就職面接会の会場に入って感じたこと

 

希望の会社のブースに空いているタイミングで並んで座って順番を待ちます。

娘の本命の医療法人のブースでは、結構な人数が並んでいて人気のある職種のようでした。

 

並んでいる人の様子を見た感じでは、一見してどんな障害のある人が並んでいるのかがよくわかりませんでした。

そのためにどういった障害の人が多く応募しているのかが見えてきませんでした。

 

こういったことを言うと差別的に聞こえるかもしれないのですが、自分勝手な判断で、親が付き添っているもしくは施設の職員が付き添っているのは娘と同じ軽度知的障害がある人なのかな、と思ったりしました。

しかし、娘と同じチャレンジ雇用で働いている人は付き添いなしで一人で参加していたので、一概にすべてそうだとは言い切れません。

 

パイプ椅子がぎっしりとならんだブースで面接が行われるので、聞こうと思わなくても他の人の面接の様子が聞こえてくるので、参加しているのは知的障害者だけではなくて、半数近くが精神障害者の方か、見えない障害を抱えた身体障害者なのかなと思われました。

業務の中に「パソコン入力作業」と入っているだけで軽作業にも関わらず、応募者がこんなにも多くなるのかと驚きました。

 

娘の希望した医療法人に並んだ人の数は、その時に並んでいた人だけでも10名近くいたので、他の時間帯に並んだ人がいると考えただけでも、たくさんの人が応募したのだと考えられてけっこうな狭き門だと感じました。

でも、隣の隣のブースはもっとたくさんの人が長い列を作って並んでいて、その時間だけでも軽く20名以上の人が面接を待っていました。

あそこのブースはどんな仕事だったらあんなに人が並んでいるの?と思って求人票を見たら、公共の事業を行う会社で基本給が15万円以上で賞与も2.5か月分支給される会社でした。

 

知的障害者が働けそうな会社で、ボーナスが支給される会社はほぼ見当たりませんでしたし基本給も10万円くらいがほとんどです。

仕事の内容は一般事務とありますが、内容は割と簡単な仕事になっています。

軽作業の事務職でこれだけの待遇の会社も見かけませんでしたので、待遇が良くてあれだけの人が並んでいるのだと思いました。

逆に、専門職やハードな肉体労働が必要な仕事のところには並ぶ人がかなり少なくなっていました。

 

スポンサーリンク

実際に面接を受けてみる

 

娘の面接の順番がきました。

一通り面接のマナーは教えてもらっているようなのできちんとできているのですが、声が小さくて試験官が顔を近づけて何度も聞き返すシーンがみられました。

確かに、大きなホールに41社の会社が同時に面接を行っているので、会場はざわざわとしていて大きな声を出さないと話ができません。

声も小さかったのですが、質問に対しても適切に答えられていないのが気になりました。

 

例えば「あなたの長所を答えて下さい」という質問に「手先が器用です」とだけしか答えられなくて、横で「他にもっとアピールできる長所があるよ~!!」と言いたくなりました。

面接での質問の最後に「なにか聞きたいことはありませんか?」と必ず聞かれますが、そう聞かれると首をかしげてしばらく考えてから、助けを求める目でじーっと私を見つめてきます。

「おかあさんは助けられないよー!!」と心の中で叫びながら汗が噴き出してきました。

 

以前利用していた就労継続支援B型事業所でも、就労移行支援事業所でも就職のための面接の練習は何度もしているから大丈夫と本人が言っていますし、今回は面接の練習ということで参加したので特に自宅で面接の練習はしませんでした。

現在働いている公共機関でのチャレンジ雇用の仕事も面接を受けて雇用が決まったので、面接は大丈夫なのだろうと思っていました。

知的障害があるとはいえ、成人した子供の面接について行っていいのだろうか?と思いながら参加したのですが、ついて行って良かったです。

なにを改善すればいいのかがはっきりわかりました。

 

会場が騒がしくて面接に集中できない

 

面接が終わった後、声が小さかったことや長所が上手く言えてなかったことを娘に話すと

「面接会場がうるさくて試験官の声が聞こえにくくて集中できなかった」

という答えが返ってきました。

 

娘は騒がしい場所が苦手で、あまり人の多い場所には行きたがりません。

自閉症スペクトラムの人は聞こえ方が敏感で、普通の人が感じるよりもはるかに騒音や雑音を拾いやすいと言われています。

娘が周りの音をどのようにとらえるのかは、娘自身がうまく説明できないのでよくわからないのですが、周囲が騒がしいとイライラしている様子がよくみられます。

 

確かに会場が騒がしくて聞き取れにくい状態でしたし、私も過去にそういった経験をしたことがあります。

面接会場が騒がしくて試験官の質問を聞き取るのが精いっぱいで、そこにばかり意識が集中して質問の内容を考える余地がなくなって、自分のアピールが全くできなかったことがありました。

面接官の質問に答えられなかった原因にはそういった問題があったようでした。

 

長所がうまく答えられなかったことについては

「B型事業所や就労移行でリーダーシップを取って仕事を引っ張っています。と聞いているからそういうところが長所だよ、不登校して学校に行けなかったけど、自分で昼夜逆転を治すためにグループホームに行って訓練したし、5年も根気強く頑張ったところもアピールしてもいいと思うよ、それに家事を手伝って家族を助けてくれるし、長所は他にもたくさんあるよ」

という話をしたら

「チャレンジ雇用の面接の時は就労移行で練習をして、そういったことをちゃんと言えたんだよ」

ということでしたので、チャレンジ雇用の面接は静かな個室で行われたようですし、面接の練習はしていたものの会場が騒がしくて集中できなくて、とっさに練習をした内容がでてこなかったと考えられました

 

次に就職面接会に参加する場合の課題

 

次に障害者就職面接会に参加するとしたら「会場が騒がしいこと」に対して対策を考えて参加しなければいけないようです。

それに、軽度知的障害の特性として、緊張した場面での集中力が続かなくて面接が後になるにつれて雑になってしまう傾向もあります。

 

障害者就職面接会への参加は、複数の会社が一度に集まるため、一日に数件の面接が受けられて何か所も面接に出向く手間が省けるし、他の人と一緒に面接を受けることで応募者の状況が分かってくるというメリットがあります。

しかし、確実に自分をアピールしたいならハローワークに紹介してもらって、数日かけても個別での面接を受けた方がいいのかもしれません。

「転職エージェント」を利用してもいいようですが、私たちの住んでいる地方ではまだ利用者が少ないですし、登録している企業も少ないようです。

 

チャレンジ雇用の契約の期限が切れたらパソコンの訓練を受ける予定なのですが、それだとちょうど1年後くらいに就職を探す機会が巡ってくることになりそうです。

それまでに、どういった形で就職先を探して、どういった形で応募するのか考えておかないといけないようです。

 

 

 

タイトルとURLをコピーしました