障害者が失業保険をもらいながらB型事業所で訓練する。工賃や年金は?

就職活動

 

広汎性発達障害と軽度知的障害の娘は、去年1年間は公共機関のチャレンジ雇用を利用して働いていました。

昨年度3月31日で雇用期間が満了となり、4月からは就労に向けて新たな活動が始まりました。

 

チャレンジ雇用で事務補助の仕事を経験して、自宅でもパソコンをを使って旅行の計画を立てた経験から、パソコンをもっと使えるようになって、仕事に生かしていきたいと考えるようになりました。

障害者を対象にしたパソコン訓練が7月に始まることを知って、受講の申し込みをすることにしましたが、それまでの4か月間は、失業保険(雇用保険の基本手当て)をもらいながら、就労継続支援B型で訓練を受けることにしました。

 

障害者(就職困難者)のための失業保険の制度は、障害があるために就職が決まりにくい人に向けて親切な仕組みになっていますので、就労に向けてゆっくりと準備ができそうです。

B型事業所から支給される工賃も、失業保険と相殺されて減額されることもなく、全額もらうことができました。

 

 

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失業保険の申し込みから受給されるまで

 

3月31日に無事にチャレンジ雇用の契約が終わりました。

いつもなら、送別会を開いてもらえたのですが、今年はコロナウイルスの影響で残念ながら自粛ということになりました。

 

事前にハローワークから

「3月31日に退職した場合、失業保険の手続きは、最短で4月13日にできます」

と聞いていたので、早速その日に手続きに行きましたが、31日付けで雇用契約が切れたり、退職したりする人が多いので、かなり込み合っていました。

人混みが苦手な人は、失業保険が支給される日が少し遅れますが、日にちをずらして行ってもいいかもです。

 

娘の場合、離職理由は契約期間満了によるもで、3ヶ月間の給付制限(失業保険をもらえない期間)がありませんでした。

そのために早い時期に失業保険をもらうことができました。

 

ハローワークに行って、失業保険の申し込みをした日(13日)が受給資格決定日になります。

ここから7日間の待期期間があり(この時期にアルバイト等の仕事をしてはいけません)、待機満了の翌日(20日)からが失業保険の支給対象になります。

 

 

通常は最初の認定日の前に、雇用保険説明会があるのですが、今回は三密を避けるために説明会は開催されませんでした。

その代わり、雇用保険受給の説明のパンフレットをもらったので、よく読んで理解して下さいと言うことでした。

 

最初の認定日が5月11日になるので、4月20日から5月10日までが支給対象の日になり、認定日の5日後に最初の雇用保険料が振り込まれていました。

 

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障害者に手厚い制度

 

障害者は就職困難者として認められていて、失業保険をもらえる期間が一般の人よりも長くなります。

就職困難者の場合は、離職前の1年間に雇用保険を掛けていた期間が6か月以上あると、失業保険が支給されます。

 

26歳の娘の場合は、45歳行以下の枠に含まれていて、雇用保険を掛けていた期間は、ちょうど1年間でしたので330日間失業保険をもらうことができます。

1年近く受給できるので、ゆっくりと就職活動ができそうです。

(45歳以上65歳未満だと360日間になります。)

 

 

雇用保険を掛けていた期間が1年未満でも、倒産や解雇などの一定の条件を満たす、雇止めでの退職でしたら150日間の支給があります。

一般の人は2年間に12ケ月以上雇用保険を掛けていないともらえません。

契約期間満了や定年退職、自己都合による退職の場合や、倒産や解雇で1年未満の退職の場合は90日間の支給となり、年齢の区分も細かくて、330日間の支給となると20年以上の被保険者の期間が必要です。

 

それに比べると障害者の場合はかなり条件が緩和されています。

 

雇用保険をもらうためには、4週間に一回の認定日にハローワークを訪れて、失業状態の報告をしなければいけません。

その間に2回、ハローワークを訪れてパソコンの閲覧をして仕事をさがしたり、セミナーや説明会に参加するなどをして求職活動をします。

障害者の場合だと、1回の求職活動で済みます。

 

参考資料:雇用保険の失業等給付受給資格者のしおり

障害年金をもらいながら失業保険をもらえる?

 

娘は、障害基礎年金をもらっていますので、失業保険の申し込みの際に失業保険をもらってしまったら、障害基礎年金の支給が止まってしまわないのか確認しました。

ハローワークの職員の答えは、障害基礎年金をもらいながらでも失業保険はもらえますと言うことでした。

 

障害年金には、数年おきに診断書を提出しなければいけない「有期認定」と障害の状態に変化が見られず、更新の必要がない「永久認定」があります。

娘の場合、定期的に診断書を提出して年金の更新をする必要のない「永久認定」となっています。

 

失業保険の認定日に提出する「失業認定申告書」の中に、

「今、公共職業安定所又は地方運輸局から自分に適した仕事が紹介されれば、すぐに応じられますか」

と言うチェック項目があります。

今すぐにでも働けますか?という質問です。

失業保険をもらう条件が、今すぐにでも働ける状態であるということです。

病気や障害の状態によって年金の等級が変わったり、年金の支給が止まる可能性のある人は、働けるので年金の必要がないとみらる場合があるので、失業保険の申請は注意が必要です。

 

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失業保険をもらいながらB型事業所を利用する

 

娘は、チャレンジ雇用で働いた経験から事務補助職に興味を持ちました。

去年、障害者就職説明会に参加した時に、病院の環境整備の仕事の中で、簡単なパソコン入力が出来ることが条件になっている仕事に興味を持ちました。

 

 

一人旅の計画を立てた時にも、私のパソコンを使ってWEB申し込みをして、もっとパソコンが使えるようになりたいと願うようになりました。

毎年、ハロートレーニング(公共職業訓練)の障害者訓練でパソコンの訓練が行われているのを知って、チャレンジ雇用の契約期間が終了した後は、パソコン訓練を受けることにしました。

 

ハロートレーニング(離職者訓練及び求職者支援訓練)は、再就職の訓練にあたって必要となる知識・技能を習得するための訓練です。
受講するためには、ハローワークに求職申し込みをした後、ハロートレーニングを実施する施設等が行う面接等の選考に合格し、ハローワークにおいて受講あっせんを受ける必要があります。

引用:厚生労働省PDF

 

失業認定申告書に工賃の申告をする

 

雇用保険をもらいながらB型事業所で働くとなると、ハローワークの認定日に提出する「失業認定申告書」に働いた日と、もらった工賃の申告をしなければいけません

雇用保険をもらっている間は、1日4時間以内、週20時間以内のアルバイトや副業が認められていて、働いた日にちともらった報酬を報告します。

B型事業所で訓練を受けて、工賃が発生した場合も同じになるのか、雇用保険の申し込みの際に聞いてみたら、アルバイトなどを行った時と同じように、働いた日にちともらった工賃を申告してくださいと言うことでした。

 

実際にはB型事業所では、1日3時間弱で週に4回の作業をしています。

6月の例ですと18日間作業に入って、合計49、5時間の作業で、14、850円の工賃をもらいました。

アルバイトなどで収入があった場合は、失業認定申告書で申告をします。

 

 

賃金日額(前職の収入により決まります)に給付率(80〜50%)をかけて基本手当日額(1日に支払われる失業保険金額)がきまります。

給付率は賃金日額が低いほど高くなりますが、娘の場合はほぼ80%に近い数値でした。

 

B型事業所で収入があった場合は

基本手当日額+1日の工賃(300円)−控除額(1306円)

この金額が「賃金日額×0.8」を超えた場合は、失業保険の金額が減額されます。

B型事業所の工賃だと、まず控除額を超えることはないので、失業保険の受給金額はそのままで、1ヶ月分の工賃14、850円も自分の収入になりました。

 

●追記

※ハロートレーニング終了後、再び失業保険をもらいながらB型事業所を利用していますが、1日5時間、週3日の15時間で働いています。
B型事業所のサビ管(サービス管理責任者)に確認したら、1日に4時間以上の労働でも大丈夫だということです。

1日の作業時間が4時間を超えた場合の失業認定報告書の書き方をハローワークに問い合わせましたが、B型事業所は雇用契約を結ばないので1日に4時間以上作業しても、アルバイトで4時間以内の作業をした場合と同じように、作業をした日に「✖」印をつけてくださいと言うことでした。

B型事業所のような作業所の工賃は減額の対象にならないようですが、最寄りのハローワークに計算方法など確認することをおすすめします。

 

就労継続支援B型を選んだ理由

 

娘はチャレンジ雇用で働いた1年間は、最初の頃は仕事に慣れなくて、緊張して体調を崩しがちでした。

だんたん慣れてくると、仕事に行くのが楽しくなり、職員との人間関係も築くことができて、働くことに関しては問題ありませんでした。

しかし、家庭内で起こる問題に悩んで体調を崩すようになり、チャレンジ雇用の契約が終わりに近づいた2月〜3月ごろになると、時々仕事を休んでしまうことがありました。

 

 

そのために、相談支援員さんと話し合って、4月から7月までのパソコン訓練が始まるまでは、体調を整えて自分と向き合う時間を作るために、少しだけゆっくりと過ごすことにしました。

だからと言って、その期間に自宅でゆっくり過ごすとなると、軽度知的障害の人は自分で自分をコントロールするのが難しい場合があるので、これまで築き上げてきた規則正しい生活習慣が乱れてしまう心配があります。

 

就労移行支援だと、就職を目指す人が訓練を受けるので簡単に休めなかったり、訓練もみっちりと行われることが多くなります。

就労継続支援 A型を利用するとなると、雇用契約を結ぶので再就職という形になります。

今回は、体調を整えながら訓練を受けるので、就労継続支援B型の利用になりました。

病院のカウンセリングを受けたり、ずっと後回しにしていた自分のやりたいことなどをしながら、B型事業所を無理がない範囲で利用して、パソコン訓練に向けて体調を整えています。

 

 

 

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