就労継続支援B型からの一般就労は難しい 5年も訓練を受けてました

就労継続支援B型

 

「広汎性発達障害(自閉症スペクトラム)」と「軽度知的障害」の娘は不登校による引きこもりを改善するために、グループホームに入居して、就労継続支援B型で訓練を受けています。

睡眠障害による昼夜逆転も改善されて、就労継続支援B型での仕事にも慣れてきました。

しかし、就労継続支援B型での賃金の安さや、グループホームでの人間関係に頭を悩ましていました。

早くグループホームを出て、自宅から一般就労をしたり就労継続支援A型に移りたいと願っていても、なかなか就労継続支援B型から出られずにいました。

 

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就労継続支援B型作業所で職人になっていた

 

娘の働いている就労継続支援B型は、B型の事業所とはいえ作業内容はA型事業所と変わらないものです。

 

入ったばかりの頃は、花や野菜の種を蒔いて、苗を育てて出荷する園芸の作業に配属されていました。

苗は生き物なので、管理には気を使うし、成育させる技術も必要とされます。

専用のポットに種を蒔いて、芽が出たら間引きしたり、大きくなったら仮植したりします。

苗を丈夫に大きく育てるために、時期を見て肥料をあげたり、形を整えるために剪定をしたり、花が咲いたら花がらをこまめに取ったりします。

 

こうして手間ひまかけて出荷できる苗を育てていきます。

もちろん、職員の指導の元で作業しますが、作業を効率よく行うためには自分で作業のコツを覚えなければいけません。

 

三年ほど園芸の仕事を経験した娘は、すっかり職人になっていました。

園芸の仕事を経験した後は、パン製造の作業に移動になり、それぞれ違った種類のパンを作るための分量や製造過程を覚えて、生地をこねたり成形をしたりして、今度はパン職人になっていました。

 

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一般就労への準備は整っているのだが

 

パンをを作ったり、苗を育てたりする作業は、成果が目に見えるのでやり甲斐のある仕事です。

実際に屋外でのテント販売を通してお客さんに触れあうこともあり、自分の作ったものを喜んで買ってもらう体験もしました。

自分の作ったものの販売ルートも学んでいて、どこでどういう風に利用されているのかも分かっていて、仕事に対してのやりがいは感じていました。

でも、仕事の内容に対して作業工賃があまりにも安すぎました。

就労継続支援B型は作業工賃が少ない!働く意味とは?

グループホームでの生活も、長く住んでいる年配の利用者の下で窮屈な思いをして過ごしていました。

就労継続支援B型やグループホームでの人間関係はストレス満載

 

グループホームに入居した時に、サービス管理責任者(サビ管)のSさんに

「ゆっくりでいいですから、まずはこちらの生活に慣れていって、少しずつ作業ができるようになりましょう」

と言われながら、初日から丸一日作業に参加できて、その後もぐんぐん作業を覚えていき、すっかり作業を引っ張る存在になっていきました。

作業内容もA型事業所に近い内容での作業を、毎日休まずに行っていたので、就職への準備はしっかりと整っているようでした。

最初の保護者会でSさんに

「娘さん、すごく頑張っていますよ!この調子だと2年もすればA型事業所に移るか、一般就労するかできますよ」

と言われながらもどこにも就職できずに、B型事業所で5年も過ごすことになりました。

 

なかなか就職に結びつかない現状

 

娘が就労継続支援B型事業所で訓練を始めてそろそろ2年が経とうとしていました。

「早くグループホームを出たい、早く就職したい」

という娘の強い要望もあって、サビ管のSさんにも「ホームを出て就職したい」との希望を伝えていましたし、Sさんも「なるべく早く就職を目指して頑張りましょう」と言ってくださっていました。

実際に、地域の物産館に1か月ほどの職場体験に行ったり、リサイクルセンターでリサイクルのお手伝いにも行ったりしていました。

 

しかし、実際に就職のため具体的な動きがないまま3年目を迎えて、サビ管もSさんからIさんへと変わりました。

保護者会でIさんとの面談の度に「うちに連れて帰って就職をさせたい」という希望を伝えていました。

Iさんも「就職を目指しましょう」

と答えてくださいました。

 

休日に行われる就職のための説明会に参加したり、市役所に3か月ほど実習に行ったり、パソコン研修を受けたりと就職のための動きはありました。

障害者福祉大会で意見発表をしたこともありました。

一度だけ市役所の方から就職の誘いがあったものの、就職へとは結びつかず、その後も具体的な就職への動きは見られませんでした。

 

就労継続支援B型から直接就職へ結びつくのが難しいのなら、せめて就労継続支援A型を利用できないのかと思うのですが、その願いもかなわず、相変わらずB型事業所の作業工賃で働いていました。

 

障害福祉サービスからの一般就労への移行は難しい

 

障害福祉サービスからの一般就労への移行は、近年だいぶ就職率も上がっているようですが、まだまだ厳しいのが現実です。

障害者就労の現状 出典:厚生労働省ホームページより

 

娘(長女)が就労継続支援B型で訓練を始めたのと同時に、次女の不登校対策で地方都市から田舎の方に引っ越したので、福祉施設が少ない地域に住んでいたのも原因だとは思います。

就職する意思があり、働けるだけの力も持っているし、訓練も十分に受けている。

なのに、ここまでいつまでも一般就労ができないとは娘も私も憤りを感じていました。

「すぐにでも就職できそうだね」

と言われながら5年も就労継続支援B型事業所で働いていました。

 

就職したいという意思があって、訓練にも休まずに行って働くだけの力が備わっていても、就労継続支援B型からの一般就労はまだしも、A型事業所への移行もなかなか難しいのが現状でした。

 

 

 

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