就労継続支援B型は作業工賃が少ない!働く意味とは?

就労継続支援B型

「広汎性発達障害(自閉症スペクトラム)」と「軽度知的障害」の娘が就労継続支援B型事業所で働くようになり、毎日休まずに事業所に通えて作業にもずいぶん慣れてきました。

リーダーシップも取れるようになり、他の利用者へ作業の指示もできるようになり、事業所では貴重な労働力になりつつあります。

そうなってくると今度は次第に、B型事業所の作業工賃の少なさに不満を持つようになってきました。

 

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就労継続支援B型事業所で働く人たち

 

就労継続支援B型事業所は、一般就労や就労継続支援A型事業所での就労が難しいとされる障害者が利用できる事業所です。

雇用契約を結ばない形になり、年齢制限もありません。

そのために、作業内容も軽作業や単純労働が多くなります。

利用する方もそれぞれの体調に合わせて作業することができるので、一日6時間働ける人もいれば、休憩しながら半日の作業を行う人もいます。

 

障害者支援施設に入居して、生活の介助を受けて体調を見ながら、数時間の軽い作業に参加する人もいれば、障害者支援施設に入居しているが、訓練のために長時間働く人。

グループホームに入居して、就職を目指して訓練のために事業所で働く人。

その人の年齢や状態によって作業内容も違ってきます。

 

娘は、不登校による昼夜逆転を改善するために、グループホームに入居して就職を目指して就労継続支援B型で作業しています。

入所してすぐに、朝から作業に参加できるようになったので、週5日、一日6時間の作業ができるようになりました。

作業内容は、野菜や花の苗を育てる仕事で、単純労働ではあるものの、種から苗を育てていく仕事は、管理や気配りも必要になります。

 

娘は、「広汎性発達障害」や「軽度知的障害」の二次障害で学校に行けなくなり、精神的に不安定になったので精神安定剤を処方されていましたが、障害自体はそれほど重くはなく、もともと健康で体力もあるので、すぐに作業内容を飲みこんで作業を引っ張るようになりました。

そうなってくると、一日みっちりと働く割には少ない作業工賃の金額に不満を持つようになりました。

 

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就労継続支援B型作業所でもらえる作業工賃

 

就労継続支援B型の平均作業工賃は月に15,000円ほどになります。

作業内容によって変わりますので、数千円しか作業工賃がもらえない人もいますが、娘はフルで働いて20,000円ほど頂いていました。

作業が園芸の仕事なので、休憩を取りながらも真夏は炎天下の下で、冬は寒空の中で、一日6時間、週に5日休まずに働いても1か月の作業工賃は20,000円なんです。

 

少し前までは学校に行けずに、部屋の中に閉じこもって生活をしていて、1円の収入にならないどころか消費しかしない生活。

就労継続支援B型を選んだのは、引きこもりのため昼夜逆転の生活を送っていため、すぐには作業が一日中できないのでは?と危惧したからです。

それから考えたら

「自分で頑張って働いて手にしたお金で、自分でおやつを買いに行ったり、大好きなアニメグッズも買えるようになったので、大きな進歩だよね」

「B型事業所での仕事はあくまでも訓練だから、一日6時間続けて働けるようになって、A型事業所や一般就労を目指せるんだから、それまでは頑張って訓練しようね」

と話したりしていました。

 

グループホームには、就職を目指している人や、すでに一般就労をしている人、A型事業所に通っている人が入居しています。

娘のいるホームには5人の女性が入居しており、2名がA型事業所に通い、3名がB型事業所に通います。

A型事業所での給料は月に70,000円ほどになります。

 

グループホームの中で雑談になると、やはり給料や工賃の話題も出てきます。

一緒に生活をしていて、同じ時間にホームを出て作業に出かけ、同じ時間に帰ってきても、もらえる金額に格差がある事実。

どんなに将来のためだから、訓練だからといっても憤りを感じてしまうのでした。

 

障害者支援施設での生活とグループホームでの生活

 

娘はグループホームで生活をしていたので、まだ自由がある生活を送っていました。

作業後の食事やお風呂が終わってからの時間や、休日の自由な時間は、ほとんど個室で過ごします。

個室にはテレビを置いているので、好きな時間に見たい番組をみたり、テレビゲームも持って行っていたのでゲームをしたり、スマホを使って家族や友達とやり取りをしたり、好きな事をして過ごせます。

 

しかし、障害者支援施設に入居している人は、4,5人の共同部屋でスマホの利用は禁止されているし、テレビも話し合って見ないといけないので、見たい番組が見れなかったり不自由な生活を送っています。

 

娘の入居しているグループホームは、6棟の建物があって入居者は全部で30名になります。

その中で女性の入居者は5名しかいませんが、障害者支援施設から就職を目指しての移転は割合スムーズにできるようです。

 

男性は25名が入居できますが、いつも満杯で障害者支援施設から移転したくてもなかなか移転ができずに、就労のための訓練に繋がらない場合があるようでした。

本人の自己管理能力や家庭の事情など、こちらの分からないいろいろな要素があるとは思います。

障害者支援施設に入居していても、B型事業所での作業はこなせていて、就労の見込みがあり本人がグループホームへの入居を希望していても、グループホームに移るのが難しくて障害者支援施設での不自由な生活を送っている人がいるようでした。

 

不満を抱えた男性が一つの部屋で過ごしていると、衝突することも多いようで、トラブルがよく起こっているようでした。

障害があっても成人した立派な男性です。

暴れだしたりすると、力も強かったりするので、押さえるのに苦労するようです。

 

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就労継続支援B型の仕事を好きになる

 

娘は、就労継続支援B型で働くようになって、ガーデニングに興味を持つようになりました。

年に数回、保護者会で障害者支援施設を訪ねる機会がありますが、その時に利用者が育てた花や野菜の苗がリーズナブルな価格で販売しています。

娘は、花の苗の種類や育て方を一個一個私に丁寧に説明してくれて、買って帰るように勧めてきました。

賃貸に住んでいて庭がないので、プランターに植え替えて玄関で育てたりしました。

連休で自宅に帰省した時に、娘がプランターの花の手入れをしてくれます。

まめに「花がら」をつんだり、伸びすぎた葉を刈り込んで調節するので、プランターの苗はよく生い茂って、たくさん花をつけて長く楽しめました。

 

ホームセンターに一緒に買い物に行くと、必ず苗の販売コーナーに立ち寄って、置いてある苗の説明をしてくれたり、事業所では育てていない苗に興味を持って調べたりしていました。

仕事は楽しいようですし、職員や利用者とも仲良く働いているようです。

でもやはり労働内容に対して報酬が少ないと、仕事を続ける上でのモチベーションに影響します。

 

働きたいのに働けない 障害者の雇用先が少ない

 

18歳でグループホームに入居した時は、入居費を払うために生活保護を受給していました。

生活保護からグループホームに必要な費用を支払い、残りで生活に必要なものを購入して、わずかながらおこづかいももらっていました。

残りは貯金していましたが、貯金の金額が増えて、20歳になり障害基礎年金がもらえるようになると、生活保護の需給を停止して年金と貯金で生活していました。

生活していく上では不自由することもなく、おこづかいもあって少しなら好きなものも買えました。

 

でも、毎日休まずに一生懸命に働いても、その働きに見合った報酬がもらえないことで、働くことの意味を見出せずにいたようでした。

自宅に帰って来ては作業工賃の愚痴をいつも言ってました。

早いところ一般就労をするか、A型事業所で働くかできればよかったのですが、どちらも働き先が少ないことでなかなか実現できずにいました。

 

働きたいと思っている障害者はたくさんいます。

でも、受け入れ口が少ないことで希望通りに働けない事態が起きています。

障害者も貴重な労働力です。

働きたい人が気持ちよく働けるような世の中になって欲しいものです。

 

 

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