就労移行支援事業所で訓練をすることの意義を感じられた

就労移行支援

 

「広汎性発達障害(自閉症スペクトラム)」と「軽度知的障害」の娘は、障害者就業・生活支援センター(なかぽつ)の紹介で地域障害者職業センターに通っていましたが、訓練の期限の12週間を過ぎても就職することができませんでした。

障害者就業・生活支援センターの紹介で地域障害者職業センターに通う

 

これからいったいどうしたらいいのか?

障害者就業・生活支援センターの担当の相談員のMさんと、いつもサービス等利用計画案を作ってくださる相談支援専門員のDさんと今後について検討していくために4人で話し合った結果、就労移行支援事業所を利用することになりました。

 

障害者職業センターでは就職につながらなかった

 

就職につながらなかった原因は、障害者職業センターの訓練をたびたび休むことと、休む際の連絡が不十分だったことです。

訓練が終わりに近づくころには、休まずに訓練に行けるようにもなり、休む場合でも電話で理由を説明して欠席することを報告できるようになりました。

このあたりの原因に私自身が体調不良のために監視が行き届かなかったことがあったのですが、この頃には回復しつつあり家庭環境も整ってきていました。

 

娘が体調不良を電話で伝えられなかったのは、自分の今の状況を電話でどう説明していいのか分からなかったからでした。

電話をかける前に、紙に伝えるべきことをメモして、それを2,3回読み上げてから電話をかけるようにしました。

体調が悪い状態でそういったことをするのはけっこう苦痛なことだと思います。

でも、社会人になるのなら自分のことに責任を持って欲しくて「仕事に行かないといけないのだが体調が悪くて行けない、迷惑をかけて申し訳ない」という連絡ができる習慣を身につけて欲しいと思いました。

いつも「もし、私が突然いなくなって娘が一人ですべてに対応しなければいけなくなったらどうするのか?」ということを想定しています。

無理なら代わりに電話するけど、できるのなら自分でやろうといつも話しているので、なんとか起きだして自分で連絡していました。

 

就労移行支援事業所を選ぶ決め手になったのは作業工賃

 

障害者職業センターで行った訓練を生かして次につなげるために、なかぽつのMさんや相談支援専門員のDさんが就労移行支援事業所で就労の訓練を受ける提案をしてくださいました。

 

就労移行支援事業所とは

就職を目指す障害者が就職に必要な知識やスキルを身につけるところです。

就労継続支援(A型やB型)は、障害者に働く場所を提供するところですが、就労移行支援就職することを目的としています。

そのため就労継続支援は期限なしで利用できますが、就労移行支援は基本的に2年が利用期限になります。(希望があれば1年の更新が可能になります)

利用料金は、それぞれの世帯の収入状況によって変わってきます。

生活保護受給世帯 0円
市町村民税非課税世帯 0円
一般1 市町村民税課税世帯(所得割16万円未満) 9,300円
一般2 上記以外 37,200円

 

3か所の就労移行支援事業所を紹介されて、Mさんの同行でそれぞれの事業所を見学して回りました。

作業内容、通勤方法や距離、事業所の雰囲気、作業工賃などを娘とMさんと話し合って、ホテルや医療用のクリーニングを行っている事業所に決めました。

自宅からの距離や、作業内容もよかったのですが、決め手となったのは作業工賃でした。

 

就労移行支援事業所は訓練を行うところなので、作業工賃をもらえるところは少ないようです。

娘が利用することになった就労移行支援事業所は、病院やホテルで利用するシーツや個人の洗濯物をクリーニングする作業を通して訓練を行うので、訓練作業をすることで実際に収益が発生することで作業工賃もいただけるようでした。

 

以前利用していた就労継続支援B型での作業工賃は20,000円くらいでした。

就労移行支援事業所でいただける作業工賃は40,000円弱になるので大幅アップになります。

就労継続支援B型で長く働いて、作業内容も訓練というよりは本格的な労働だったので、就労のための訓練という意味ではやりがいのある訓練ではあったのですが、それに対する作業工賃の安さがずっと不満でした。

就労継続支援B型は作業工賃が少ない!働く意味とは?

 

決してお金をもらうために訓練に通うというわけではないのですが、行った労働に対してそれなりの報酬があったら訓練のモチベーションも上がるのではないかと思われます。

 

人の役に立つことや報酬をもらうことで労働をする意味を見出した

 

就労移行支援事業所での主な作業は、病院で利用される病着を決められた方法でたたむ仕事です。

クリーニングされてくる病着はアツアツの状態で仕上がってくるので、暑さとの戦いになります。

慣れてくるとたたむのが早くなってくるので数をこなせるようになってきます。

作業するのは訓練生だけではなく、パートで働いている一般の人も一緒に作業をするので、職員やパートさんに作業の手際の良さを誉められるようになると作業も楽しくなってきます。

作業工賃がもらえるようになると、労働をして賃金をもらうことで働いていることを実感できるようになって、訓練に行く楽しみが出来てきます。

 

15時30分で作業が終了しますが、仕事が終わらない時が多くて、そういう時はパートさんたちが残業をして終わらせますが、残業手当が出るので訓練生も残りたい人は残って残業ができます。

娘も買いたいものがあるときは、少しでも工賃を多くもらいたくて残業を増やしたりしていました。

休むことが多かった障害者職業センターに通っていた頃と比べれば、表情も明るくて訓練を休むどころか、自ら進んで仕事を増やすようになりました。

一週間休まずに訓練に通えると、ポイントをもらえる制度になっていて、ポイントを集めてクオカードに変えられます。

「今朝は起きるのが辛いな」と思っても、ポイントが欲しくて頑張って起きてきて、週末になると「あと一日行けばポイントをもらえる」と言いながら出かけて行きます。

一日も休まずに訓練に行けた月は嬉しそうに「今月はポイントが満点だよ」と言っていました。

 

お昼ご飯は、注文をするとバランスがよくてボリュームがある食事が一食400円くらいで用意されているので、はじめの頃は注文をしてお昼ご飯のサービスを利用していました。

丸々一か月訓練を受けて作業工賃の明細書をもらったら、お昼ご飯の代金が5,000円くらい差し引かれているのをみて、お弁当を自分で作って持っていくようになりました。

自分で働いた報酬を手にすることでお金のありがたみを感じるようになったようです。

 

まとめ

 

障害者でも健常者でも、自分が必要とされる場面を経験することで行動する意味を見出すのかなと思います。

病院に入院している患者さんの着ている服をきれいにクリーニングして、それをきちんとたたんで患者さんに返す作業を行う。

自分が今行っている作業が、直接人の役に立っていることを実感できることで、作業をする意味を感じられるとモチベーションもアップしていきます。

それに対して報酬が発生するとなおさら働く意欲もでてくるようです。

 

就労移行支援事業所には、生産に関わっていることが実感できない作業を行っていたり、作業工賃がなかったりするところもあるようですが「働いている」という実感を感じられるところが就職に繋がりやすいような気がします。

訓練は就職するために必要だと分かっていて、それに取り組むことで就職に繋がると分かっていても、訓練していることが手に取ってわかるようなしっかりとした形が見えると、訓練にも張り合いが出てきます。

人間はげんきんなものでご褒美が目の前にあると、それを目標に頑張れます。

知的障害を持つ人はとても素直なので、ご褒美がはっきりと目に見える形になると、そこに向かって一生懸命に努力できるのかなと感じました。

 

 

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